こんにちは。ひだまり助産院 院長の佐藤真紀子です。
今回は、少し珍しいケースである「赤ちゃんからの卒乳」によって、
ママが乳腺炎になってしまった事例をご紹介します。
身体のケアだけでなく、ママの心のケアも必要だったこのケース。あなたの参考になれば嬉しいです。
Contents
突然の卒乳は、こんな風に始まりました
今回ご依頼があったママは、11ヶ月の女の子の初産婦さん。
離乳食も1日3回、順調に進み、一人遊びも上手で、
家の中を元気に探検しているような元気な赤ちゃんでした。
ただ、母乳に対してのこだわりは薄く、飲んでもすぐに終わるようなタイプ。
ママは1日6回の授乳と3回の離乳食を、規則正しく毎日行っていました。
・・・ところが、ある日を境に異変が起こります。
卒乳のサインは、日中の授乳を忘れることから
遊びに夢中になって母乳を飲まずにそのままお昼寝。
目覚めても授乳を求めることなく再び遊び始める——そんなことが数回続いたそうです。
最初は気にもしていなかったママですが、次第に「最近あまり飲まないな…」と気づくように。
本当は1歳過ぎてから卒乳を考えていたママにとって、
赤ちゃんの変化は戸惑いと寂しさを感じさせるものでした。
赤ちゃんからの“卒乳宣言”
ある日、いつものように授乳しようと乳首を口元に近づけたところ、
赤ちゃんが顔を背け、背中を反らして拒否!
この日、1回も授乳できなかったことで、ママは「卒乳なの?」と感じたそうです。
とはいえ、ママの心はまったく準備ができていません。
すると、オッパイに異変が起こりました。
両胸に乳腺炎を発症!その原因は「心」?
母乳は急に止まるものではありません。
飲まれなかった分だけオッパイに溜まり、張ってしまいます。
通常、乳腺炎は片方だけに起こるケースがほとんどですが、今回のママは両胸に発症!
実はこれ、物理的な詰まりだけでなく、
「赤ちゃんに飲んでほしかった」「突然の卒乳が寂しい」
というママの感情が、オッパイにも影響を与えたと考えられます。
「オッパイも泣いている」——心と身体はつながっている
ママは涙ながらに「寂しい」「痛い」「どうしていいか分からなかった」と語ってくれました。
オッパイを触った瞬間、「オッパイも、悲しくて泣いてる」と私には伝わってきました。
ママの心の悲しみが、そのまま乳房に現れていたのです。
まずは乳腺炎の解消を優先
熱、しこり、倦怠感、頭痛などの症状が出ていたため、まずは乳腺炎のケアを優先しました。
初回のケアでは、詰まりをやさしく解除しながら、痛みを和らげることに集中。
それでもしこりが残っていたため、翌日再びケアを行いました。
2回目のケア後には熱も下がり、痛みも改善。
ママの表情も晴れやかに!
乳腺炎が治ったら、卒乳ケアへ
乳腺炎が治ってから、本格的に卒乳ケアに入りました。
適度な張りを保ちながら、母乳分泌をゆっくり抑制していく方法でケアを進めました。
2回のケアを経て、無事に卒乳完了。
ママも、気持ちが落ち着き、赤ちゃんの成長を受け入れられるようになっていました。
最後に
赤ちゃんが喜んで飲んでいた母乳を、ある日突然拒否されるのは、
まるで「大好きな人にふられたような気持ち」と同じ感情を抱きます。
特に女の子は、あっさり卒乳することが多いのですが、
ママの心が準備できていないと戸惑いや寂しさが大きくなるのです。
卒乳は育児の一つの節目です。
身体の痛み、心の葛藤——すべて含めてママが一歩ずつ成長していく大切なプロセス。
ひだまり助産院は、そんなママの気持ちにも寄り添いながら、全力でサポートしていきます。
いかがでしたか?
もし同じように卒乳や乳腺炎で悩んでいるママがいたら、ぜひ気軽にご相談くださいね(^^)