こんにちは。
「ひだまり助産院」院長の佐藤真紀子です。
今回は、「ミルクを3時間空けられない」という悩みについてお話しします。
実は、これはとても多いご相談のひとつです。
私のところにも、「ミルクを3時間あけて飲ませているけど、全然うまくいかない」
・・・というお母さんたちがたくさんいらっしゃいます。
この記事では、
🔸「3時間空けなければならない」という思い込みの背景
🔸赤ちゃんに合ったミルクのあげ方
🔸実際のご相談事例
をもとに、心がスッと軽くなるヒントをお伝えします。
Contents
ミルク育児に多いお悩み
☑ 泣いていても、3時間経たないと飲ませられない
☑ ミルク缶の量を無理に飲ませて3時間もたせようとしている
☑ 夜はタイマーで起こしてミルクをあげているけど、赤ちゃんが飲んでくれない
…など、「3時間ルール」に縛られて、ママも赤ちゃんもつらい日々を過ごしていませんか?
この状態を、私は「ミルク間隔3時間の呪縛」と呼んでいます。
「3時間ルール」って本当に必要?
ミルク缶や指導書には「3時間おきに140ml」などと書かれていますが、
実際には赤ちゃんの成長・体重・胃の大きさ・飲み方によって、必要な量やタイミングは違います。
たとえば、1回量が飲めない赤ちゃんにとって、3時間空けるのは拷問のようなもの。
「お腹がすいた」と泣いているのに、ミルクをもらえない…
それは、赤ちゃんにとって「絶望」でしかありません。
実際、空腹でギャン泣きしている時点で、胃の中は空っぽになっていて、次のミルクを受け入れられる状態です。
だからこそ、赤ちゃんが欲しがった時に飲ませていいんです。
ミルクは「1回量」より「1日トータル量」で考える
たとえば、ミルク缶に
「1回140ml、1日6回」と書かれていたとします。
計算すると1日量840mlになります。
でも、それを140mlずつ6回に分けて飲む必要はありません。
☑ 80mlを10回でもいいし
☑ 120mlを7回でも良いのです。
1日量840mlをどう分食してもいいので、その時の空腹に合わせてあげましょう。
こんなふうに、赤ちゃんに合わせて調整して大丈夫なんです。
赤ちゃんにはチョコチョコ飲みタイプと、ガブ飲みタイプがいます。
「その子に合ったスタイル」でOKです。
体重の重い赤ちゃんであれば、月齢よりも「体重基準」でミルク量を決めるのがポイントです。
ミルク缶に書かれている量は、あくまでも目安の量なので
赤ちゃんの食欲に合わせて増減しても構いません。

急成長期にはたくさん飲みたがることも
赤ちゃんには「急成長期」と呼ばれる時期があります。
一般的には、生後3週間・3か月・6か月ごろに起こりやすいです。
この時期は、急に飲む量が増えたり、いつも以上に欲しがったりします。
心配しなくても大丈夫。
その“飲みたがる”サインは、赤ちゃんの成長エネルギーが必要としている証拠なんです。
たくさん飲ませても、すぐに太りすぎることはありません。
気になる場合は、母子手帳の「体重曲線」を見て確認しましょう。
実際にご相談に来られたママの声
生後20日のお母さんがこんな悩みを抱えて来院されました。
「昼間は3時間空かないから泣き続け、夜は起こして飲ませても飲んでくれない」
「一日中タイマーと赤ちゃんに振り回されて、心も身体も限界でした」
体重を確認すると、1日あたりの増加量が少なめ。
赤ちゃんは飲みたいときに飲めず、寝ているときに無理に飲まされていたことで、
心身ともに負担がかかっていたのです。
そこで私は、
☑ 欲しがったときに飲ませて良いこと
☑ ミルク量は1回ではなく1日トータルで考えること
☑ 赤ちゃんの反応に合わせること
をお伝えしました。
1週間後、その赤ちゃんは1日36g増としっかり成長。
ママも穏やかな表情になり、「本当に相談してよかった」と涙ぐんでいました。
その笑顔が、今も忘れられません。
ミルクは「赤ちゃんに合わせていい」
ミルク育児も、母乳と同じように
「赤ちゃんが欲しいときに、満足するまで飲ませてあげる」というシンプルな考えで大丈夫。
正期産で生まれた元気な赤ちゃんなら、1回のミルク量や間隔をきっちり守る必要はありません。
赤ちゃんはロボットではなく、生きている「命」です。
一人ひとり違う個性やリズムがあります。
その子の声を聴きながら育児をすることこそ、本当に大切なことなのです。
最後に:ママの心が軽くなりますように
「ミルク3時間空けなきゃダメ」という思い込みは、
実は必要のない“育児の呪縛”かもしれません。
もっと自由に、もっと赤ちゃんと向き合って、
ラクに、楽しく育児ができるヒントをこれからも届けていきます。
育児の悩みはひとりで抱えないでくださいね。
私たち助産師は、いつでもあなたの味方です🌸
あなたと赤ちゃんにあった授乳についてのアドバイスもしています。
オンラインでも相談していますので遠方の方でも悩みがあったら連絡ください。
お気軽にご相談くださいね。
それでは、また(^_-)-☆