ひだまりブログ

授乳後の「乳房痛」で母乳育児を断念する寸前の母親。相談とケアの内容。

授乳後の乳房痛

授乳による痛みは、母乳育児を断念したくなるほど辛い悩みとなります。


授乳時には、乳頭の痛みを訴える母親は多いです。

乳頭損傷による傷や亀裂は、背中まで走る激痛だったりします。

私はこれまでに8000人以上の乳房ケアをしてきましたが

「授乳後の乳房激痛」はかなりのレアケースです。

今までに2人しか出会っていません。


レアケースなので私も色々調べてみましたが

「授乳後の乳房痛」について書かれている専門書や文献は見つかりませんでしてた。

今回、私が相談を受けた母親のケースと

同じ悩みを抱えている人がいるかも知れないと思ったのでご紹介いたします。

乳頭痛・乳房痛の原因

まずは授乳期における一般的な乳頭・乳房痛の原因についてお伝えします。

●乳腺炎を起こしかけている

●乳腺炎になっている

●乳管の完全閉塞・不完全閉塞がある

●乳房に硬結がある

●乳頭に白斑、損傷、亀裂がある

●乳頭のカンジダ感染

●乳房の病的緊満がある

●赤ちゃんの吸着が不適切、有効に母乳が飲み取れていない

●強い射乳反射

・・・などが考えられます。


体というのは精神的なものも、身体的変化として表れます。

疲労感が強い、不安や悩みがある、悲しい出来事があった・・なども

乳房に異変として表れて、乳房痛として感じることがあります。

相談者の紹介

生後5か月の母親。

3か月位前から授乳直後に左乳房痛が出現。


いつも両方の乳房授乳後、約10分くらいしたら痛みが発生。

痛みの程度がどの位かというと・・・

授乳後に痛み止めを内服しないと動けなくなるくらい。

毎日2〜3回内服を3か月間していました。


あまりの痛さに新生児訪問の時に相談したところ

保健師のアドバイスは「辛かったらミルクにしては?」と言われました。

しかし、母乳が出ているので止めたくないと思いがありました。


そして、病気ではないかと不安に思い病院を受診しました。

病院では乳房のエコー検査を受けました。

エコーの結果では異常は見つからず。

医師からは「問題なし。嫌なら母乳を止めればいい」と言われ途方に暮れる。


さらに出産病院での産後ケアでも相談しましたが解決できませんでした。

4か月健診の時に保健師に、乳房が痛のが悩みだと伝えたところ

乳房ケア専門の助産師に相談をしてみるようアドバイスをもらい

ひだまり助産院を紹介されて来院することになりました。

乳房の診察所見

助産院には、ご主人と赤ちゃんと3人で来院されました。

今までの経過と乳房の痛みについて詳しく問診をしました。

乳房の左だけに激痛があるという点に私は着目しました。

そして、乳房全体をしっかり触診しました。

前回の授乳から2時間ほど経過していましたが

左だけ乳房の緊満があり、乳輪がとても硬くなっていました。


問診と触診から、左乳腺からの母乳の流れが悪いことが

乳房の痛みにつながっていると感じました。


乳房ケアを行うと、左乳頭で母乳の流れが悪い乳腺が多数ありました。

ケア中は軽い圧迫感を訴えましたが、

射乳が飛び母乳の流れが良くなったら圧迫感は消失しました。


右の乳房は、母乳がしっかり飲み取られていて大きな問題はなし。

ただ、右の乳腺の開通が悪い所があったので流れを作るケアをしました。

両方の乳房をしっかり母乳が流れるようにした後は

乳房がフワフワになって、乳輪も柔らかくなりました。

自宅での授乳の様子

今までは左側を授乳しようとすると、

赤ちゃんは乳首を引っ張ったり、噛んだり、嫌がったりしたそうです。

しかし、今回乳房ケアをした後は、赤ちゃんは穏やかに母乳を飲んでくれました。


そして驚くことに、あれだけ激痛だったのに、まったく乳房痛がなかったそうです。

その後も乳房痛はなくなり、授乳がスムーズにできるようになりました。

母親からは、喜びと感謝のお礼がありました。

考察

今回は病院でエコー検査をしましたが原因が分かりませんでしたが、

当然と言えば当然です。

エコー検査というのは、乳房や乳腺において器質的に異常があったら分かります。


しかし、今回は乳房が問題ではなく、

乳腺からの母乳の流れが問題だったので

医師は見つけられなかったのです。

乳頭や乳房が痛む場合は、傷や感染症がなければ

たいていの場合、母乳の流れが悪いのが原因です。


今回の症例には大きなポイントがあります。

両方の乳房が痛いのではなく、左乳房だけが痛かった事です。

強い射乳による痛みであれば両乳房が痛いですが

片方だけの痛みなので、ここでも乳腺の流れが悪いことが予測できました。

乳腺の流れが悪い証拠として、左乳房が右より張りが強かったことも挙げられます。


翌日に乳房ケア後の報告を聞いた時の母親の声は、とても明るかったです。

3か月間も良く頑張って授乳を続けてきたと思います。

専門家としての関わり

母乳や育児の専門家はたくさんいます。

専門家も知識や経験からのアドバイスをしてくれますが

たいていの場合は、授乳が辛いというと

「ミルクでも育つので、辛いならやめてもいい」と

アドバイスする人が多いです。


母親は本当に辛かったら、自分から止める選択をするでしょう。

専門家に「痛くて辛い」というのは、

「本当は母乳を続けたい、続ける方法はないのか?」

という事を相談したいのです。

何か解決方法がないのか、専門家に確認しているのです。


多くの人は、母親の負担や無理をかけないアドバイスしかしません。

母親のニーズは何か?という視点を持たないと

専門家の意見の押し付けになりかねません。

今回は、乳房ケア専門の助産師をいう事で

ひだまり助産院を紹介いただきケアをしました。

私にたどり着かなかったら、母親は母乳を止めていたでしょう。

乳房の痛みがある人へ

この記事を読んでいる方は

乳房の痛みについて調べてたどり着いたと思います。


私の経験から、授乳の痛みは乳腺の流れに問題があって

乳房ケアをすると解決するケースが多いです。

もし今現在、乳房痛でお悩みであったら

お近くの乳房ケア専門の助産師に相談してみましょう。

まずは電話をかけてみるといいでしょう。

乳房ケアというのは技術としては高度なので

助産師によっては経験値にばらつきがあります。

電話で相談すると、助産師の人柄も分かるし


解決できそうなのかも判断できると思います。

母乳を止める決断をする前に、勇気をもって相談することをおススメします。

もし困ったら、ひだまり助産院に電話下さい。

オンライン相談もしていますので

遠く離れた地域にお住いの方でも、セルフケア方法を伝えられますし、

解決できる方法を一緒に考えていきましょう。

皆さんが幸せな母乳育児ができますように(^_-)-☆