おっぱいというのは通常、
特に問題がなければ、痛みや苦痛はありません。
しかし、赤ちゃんに授乳をしていると
何かしらの苦痛や違和感を感じることがあります。
今回は、助産院の相談でもかなり多い
「しこりは無いけどオッパイが痛い」についてお伝えいたします。
乳腺炎の症状
まずは「乳腺炎」とはどんな症状なのか、お伝えします。
乳腺炎とは、圧痛・熱感・腫脹を伴う病変で
38.5度以上の発熱、悪寒、インフルエンザ様の
身体の痛み及び全身症状を伴うもの
と、定義されています。
一般的には、乳房に硬いしこりができて痛みがあった場合に
乳腺炎だと認識されている人がほとんどでしょう。
乳腺炎は母乳の出口である乳管が狭窄したり詰まることで発症します。
乳頭に白斑ができることもあります。
乳腺炎には種類があって、
うっ滞性乳腺炎と感染性乳腺炎があります。
そして、実質性乳腺炎と間質性乳腺炎というのがあります。
乳腺炎といえども、発症する症状は様々です。
オッパイが痛ければ「乳腺炎」
乳腺炎といえば、
「しこり」と「痛み」
と思われている人が多いですよね。
でも乳腺炎には種類があると先にお伝えしました。
実質性乳腺炎と間質性乳腺炎のどちらになるかよって乳房に起きる
しこりの状況が全然違います。
![](https://hidamari-josanin.jp/wp2/wp-content/uploads/2023/11/image.png)
実質性乳腺炎は、乳房がゴリゴリするのでしこりがはっきり分かります。
間質性乳腺炎は乳腺組織の間におこる乳腺炎なのでしこりが分かりにくいのが特徴です。
乳腺炎によって発症する全身症状は、間質性乳腺炎の方が強く出ます。
高熱が出るタイプの乳腺炎では間質性乳腺炎の場合が多いです。
「うっすらしこり」を見逃すな!
間質性乳腺炎は、乳房の間質におこるので
しこりははっきりしません。
でも、高熱が出たり、頭痛・関節痛などが強く出ます。
しこりが分かりにくくても、乳房が痛い場合には乳腺炎を真っ先に疑ってください。
実は、助産師によっては
乳腺炎の知識が浅い人もいます。
しこりが小さいからとか、しこりが分からないから
「乳腺炎でなない」とか
「乳腺炎としては大したことない」
・・・と判断してしまう人もいます。
これは、大きな間違いです!!!
私からすると「うっすらしこりの方が辛い」と分かっているので
問い合わせが来たら、すぐに乳房ケアをした方がいいと伝えて予約を入れます。
間質性乳腺炎のケア
間質性乳腺炎はマッサージしても
しこりが1週間ほど残る場合があります。
なぜなら、間質に漏れ出した母乳の出口がないからです。
乳腺実質に母乳が移動してしこりが小さくなるか
間質組織から母乳が吸収されないとしこりが解消しません。
普通の乳腺炎より治るのに時間がかかる場合があります。
とはいえ、乳腺炎症状がきついので
速やかに乳房ケアを受けることをお勧めします。
![](https://hidamari-josanin.jp/wp2/wp-content/uploads/2023/11/image-1-1024x683.png)
乳腺炎になったら
乳房に痛みやしこりができてしまったら
授乳はやめないでください。
たとえ高熱が出たとしても、毒になってはいないので
母乳は飲ませても大丈夫です。
しこりがある方からの頻回授乳をしてください。
抱き方を変えて飲ませるのも、赤ちゃんの口の当たり方が変わるので
しこりが解消する場合があります。
1日程度は様子見てもいいですが、何度授乳しても変わりなければ
早めに乳房マッサージを受けましょう。
乳腺炎が発症して長時間経過した場合には、治りにくくなります。
どんなに腕のいい助産師でも解決できないこともあります。
お近くの助産院や母乳外来がある病院を受診しましょう。
しこりが小さくでも乳腺炎!
いかがでしたか?
乳腺炎の判断は、しこりの大きさだけではない!
・・・という事が、お分かり頂けましたでしょうか?
インフルエンザと間違える可能性がありますが
授乳期の方は、高熱が出たら乳腺炎も疑ってください。
高熱などの全身状態と合わせて、乳房の痛みを確認してくださいね。
それでは、また(^_-)-☆